研究概要 |
平成21年度に得られた研究成果は以下の通りである。 1.抗体スクリーニング系の確立:作製した抗体のIgE結合阻止能評価のためのスクリーニング系をイヌ肥満細胞腫由来の株化細胞を用いて確立した。 2.イヌIgEとFceRIの結合阻害能の評価:ハウスダストマイト抗原によって感作させたイヌより得たIgEを高濃度に含む血清を用いて、昨年度に作製したモノクローナル抗体によるIgE-FceRI結合阻害能を評価した。その結果、評価した4クローンのマウス由来抗イヌIgEモノクローナル抗体は、いかなる抗体濃度(5,10,20,40,80,100mg/ml)においてもイヌ血清中に含まれるIgEとFceR Iの結合を阻害することができなかった。 3.イヌIgEとマウス由来抗イヌIgEモノクローナル抗体結合能の評価:イヌIgEとFceRIの結合を阻害できなかった原因を明らかにするため、イヌIgEに対するモノクローナル抗体の結合の有無について再検証した。その結果、モノクローナル抗体はイヌIgEと複合体を形成しながらFceRIに結合していることが明らかとなった。 4.イヌのキメラ抗体発現系の確立:イヌkappa軽鎖またはlamda鎖の定常部領域およびイヌ重鎖IgG-A、IgG-BまたはIgG-Cの定常部領域のそれぞれの組み合わせをIRES(internal ribosomal entry site)の上流および下流に挿入した哺乳類発現ベクター(CAT7neoベクター)を構築し、これらのベクターが293T細胞において抗体発現することを確認した。
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