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2009 年度 実績報告書

動物遺伝病(ライソゾーム蓄積病)の新規診断・予防法および新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20380173
研究機関鹿児島大学

研究代表者

大和 修  鹿児島大学, 農学部, 教授 (80261337)

キーワードライソゾーム蓄積病 / 動物モデル / ガングリオシドーシス / サンドホフ病 / セロイドリポフスチン症 / 遺伝病 / スクリーニング
研究概要

1. 柴犬のGM1ガングリオシドーシスの予防計画の実践
本疾患の予防を目的として、(社)日本犬保存会の鹿児島支部と連携協力し、鹿児島県内の主要な柴犬ブリーダーが所有する繁殖犬のDNA(唾液)収集に着手した。
2. 日本猫の各種ライソゾーム病の遺伝子診断法の開発と分子疫学調査
GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス0亜型およびニーマンピック病の主要変異に関わる遺伝子型を判定するリアルタイムPCR法を開発した。これらの方法を用いて、日本(九州および四国)、韓国、バングラデシュ、リビアの雑種猫(2千頭以上)について検査した。その結果、GM1ガングリオシドーシスにおいては、国内外で比較的高いキャリア頻度(0.5%以上)であることが判明した。一方、その他の疾患では、現在までにキャリアが認められないため、キャリア頻度は0.1%以下であると推測された。
3. ボーダーコリーの各種遺伝病の新規診断法開発と予防制圧
神経セロイドリポフスチン症(NCL)については、ボランティア組織であるJBCHNとの協力による遺伝子型調査により、キャリア頻度は減少傾向を示し(7.3%)、2009年以降の発症犬が確認されなくなった。さらに、コリー眼異常、MDR1遺伝子変異(イベルメクチン中毒)についても迅速遺伝子型検査を開発し、ボーダーコリー集団における遺伝子頻度を明らかにした。
4. 新規同定疾患の分子基盤解明
トイプードルのサンドホフ病について、原因遺伝子候補と考えられる変異を発見した。また、日本猫のNCLについても候補遺伝子のエクソン配列の中に、数種の変異候補を同定した。
5. 新規疾患の同定
熊本で既知の変異を有しない日本猫のGM1ガングリオシドーシスが同定された。また、トイプードルにライソゾーム病の一種と推定される成犬型発症の疾患が同定された。さらに、チワワおよびサルーキに新たなNCLが同定された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Rapid and reliable genotyping technique for GM1 gangliosidosis in Shiba dogs by real-time polymerise chain reaction with TaqMan-minor groove binder probes2010

    • 著者名/発表者名
      Hye-Sook Chang, et al.
    • 雑誌名

      J.Vet.Diagn.Invest. 22

      ページ: 234-237

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exclusion of NEU1 and PPGB from candidate genes for a lysosomal storage disease in Japanese black cattle2009

    • 著者名/発表者名
      Ali Akbar Masoudi, et al.
    • 雑誌名

      Anim.Sci.J. 80

      ページ: 611-615

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mutation screening of canine GM1 gangliosidosis for preventive measures : absence of the mutant allele in breeding shiba dogs in the Czech Republic2009

    • 著者名/発表者名
      Osamu Yamato, et al.
    • 雑誌名

      Jpn.J.Prophylactic Vet.Med. 1

      ページ: 63-68

    • 査読あり
  • [学会発表] ボーダーコリーの視覚異常を伴う遺伝病:セロイドリポフスチン症・コリー眼異常・X染色体性進行性網膜萎縮. In:比較眼科学会シンポジウム「ここまで来た眼・神経疾患の診断」2010

    • 著者名/発表者名
      大和修
    • 学会等名
      日本獣医内科学アカデミー/日本獣医臨床病理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-02-14
  • [学会発表] 犬猫のライソゾーム病とその他関連疾患のスクリーニングについて. In:日本獣医学会・獣医臨床遺伝研究会共催シンポジウム ポストシーケンス時代を迎えて ~動物の遺伝性疾患をめぐる最近の話題~2009

    • 著者名/発表者名
      大和修
    • 学会等名
      日本獣医学会
    • 発表場所
      宇都宮
    • 年月日
      2009-04-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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