1.オオムギのコリンモノオキシゲナーゼ(HvCMO)のさらなる解析: 前年度までに得た知見は、これまで知られていたアカザ科の葉緑体CMOと全く異なり、イネ科オオムギではペルオキシソームにCMO活性を有するたんぱく質が存在することを明らかにした。これを論文にまとめて採択された。この結果はグリシンベタインの機能に関する極めて新しい情報である。ペルオキシソームに局在することを確実にするために、N-末端とC-末端を削り、どのアミノ酸配列に局在シグナルがあるかを検討中である。 2.グリシンベタインについては、合成・輸送・蓄積に関する研究が進んできたので、海藻類のアオサの適合溶質であるDMSPの合成酵素の同定、クローニングを進めてきたが、まだ成功していない。 3.GB輸送体については、オオムギからメストム鞘細胞に局在する新奇なものをクローニングして、その結果を既に論文にしたが、その他にも局在性の異なるものがあることが考えられるので、そのクローニングを試みている。我々は過去にプロリン特異的な適合溶質輸送体をクローニングし、詳しい解析を行って来た。プロリンは根冠で特異的に発現しており、GBとプロリンは共に適合溶質であるが、全く異なる働きを持っていることが明らかになった。今後、さらに広く双子葉植物を含め解析をする。
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