研究概要 |
金属酸化物を混合・焼結してシリカセラミックス改良した。それらの2価水銀吸着効率、物理化学的吸着機構、至適混合率、至適焼結温度などを求めた。 1)2価水銀の最大吸着効率は、赤玉火山灰土由来のシリカセラミックス(A-Ceramic)では0.27μg/L/g/h、鹿沼土由来のものはでは0.26μg/L/g/hであった。接触開始後120分で吸着が平衡となり、吸着は初期pHの増大に伴って増大するが、至適pHは9.03である。セラミックの量が少なく、初期水銀濃度が高い場合、水銀吸着効率は増大する。2価水銀の吸着はLangmuirモデルやFreundlichモデルで記述でき、吸着効率は約445μg/gであった。 2)SEM-EDS解析によると、シリカセラミックにはSiO_2(21.8-78.5%),Al_2O_3、(4.1-38%)およびFeO(0.8-7.7%)が見られるが、サンプルS4にはCaO(65.3%)、SiO_2(21.8%)が高濃度に見られた。SiO_2はS1でがもっとも多く、S6ではもっとも少ない。CuOがS5(2.5%)、S6(3.6%)にわずかに認められた。 3)2価水銀の吸着は、CuOやMgOを含むセラミックが他の物質を含むものより良好であった。10%MgOを混合したセラミック(MA-Ceramic)の表面積は、混合しない場合(44.6m^2/g)に比較し67%も上回った。空隙はMgOによって満たされ、熱によって化学的に変化し表面積も大きくなった。MA-Ceramicの吸着力は265±8.5μg/gとなり、これはもとの12倍もの値である。 4)1%Na_2CO_3や5%Na_2CO_3を混合した改良セラミック(AVAS-Ceramic)は吸着量でそれぞれ5%、127%の増加が認められた。接触後270分で吸着平衡に達し、pHに依存し、至適pHは7.5であった。
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