本研究では、医薬的に有用な生理活性を示しながら、複雑な構造から量的供給が不可能な多環性アルカロイドの合成を行う。歪んだ中員環、スピロ縮環構造、多置換芳香環を有する化合物群の合成研究を通じて、新規合成方法論の確立に基づく斬新かつ合理的な合成戦略を開発する。また、創薬への展開を指向し、最終生成物をグラムスケールで供給可能にする画期的合成ルートの確立を目指す。具体的には、以下に挙げる多環性高次構造アルカロイド天然物について、合成研究を行う。 (1)歪んだ中員環を有するラジニラムおよび類縁化合物の合成研究 (2)多環性スピロアミナールを有するハプロファイチンおよびイソシゾガミンの合成研究 (3)アザスピロ環を有するレパジフォルミン類およびヒストリオニコトキシンの合成研究 (4)多置換芳香環構造を有するPDE類およびディクティオデンドリン類、ディスコハブディン類の合成研究 (5)16員環ビスキノリジジン骨格を有するペトロシン類の合成研究
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