研究課題
本申請研究ではAβ生成に先立つ変化としで、Aβの前駆体APPおよびAlcadein(Alc)の輸送障害がアルツハイマー病の発症機構の一因である可能性を検証することを目的としている。研究目的1に記載したKLCのJIPb結合サイトの解析を行い、JIP1bとの結合に関わるKLC1のC末100アミノ酸に5カ所のリン酸化サイトを同定した、リン酸化サイトをAlaに置換した変異体を用いた結合実験から、結合に影響を与えるサイトを同定した。研究目的2に記載したAPPとBACEの局在に関して、新たな知見をえた。APP結合タンパク質X11Lを欠失した変異マウスでは、APPがDRM画分へ多く入りβサイト切断を受けやすい状態であった。X11LはAPPに結合することで、酵素学的にセクレターゼ活性を阻害するのではなく、APPの膜内分布を制御することでAPPのアミロイド生成的切断を抑制していることが明らかになった。研究目的3に記載したAD患者におけるAlcの代謝産物の量的・質的変化を解析した。組織より特異抗体を用いた免疫沈降法によりp3-Alcを回収しMALDI-TOF/MSおよびMS/MS解析を行い一次構造の解析を試みた。脳組織からの回収は、まだ条件検討の段階であるがCSFより回収したp3-AlcはAD患者でC末側のγ切断に変化が認められた。現在、疾患の程度と切断サイトの変化の関連性を解析している。研究目的4に記載したAlc小胞が運搬するタンパク質の同定を行った。また、これまでJIP1のC末10アミノ酸がKLCのTPRモチーフを含むC末側と相互作用することが示されていたが、各種欠質変異JIP1bを細胞に発現し、KLC1との相互作用を解析した結果、JIP1bおよびKLC1の異なる部位も相互作用することが明らかになった。KLCはKHCやカーゴとの結合により高じ構造が変化することが知られており、JIP1とKLCの結合領域は複数損じすることも考えられた。
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