研究課題/領域番号 |
20390019
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (60154449)
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研究分担者 |
山田 修平 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (70240017)
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キーワード | グリコサミノグリカン / コンドロイチン硫酸 / ヘパラン硫酸 / 肝再生 / 脳 / 細胞増殖因子 / 計科学 |
研究概要 |
プロテオグリカンのグリコサミノグリカン(GAG)側鎖であるヘパラン硫酸(HS)は、種々の細胞増殖因子、サイトカイン、形態形成因子のシグナル伝達に関与し、細胞の増殖、分化、癌化、組織の形態形成、再生等の基本的な生命現象に不可欠の分子である。最近縞もう一方のGAG側鎖であるコンドロイチン硫酸/デルマタン硫酸(CS/DS)も重要な生命情報を担うことが解明されてきた。本研究の目的は、シグナル分子とGAG鎖との相互作用の解析から、シグナル伝達経路における両GAG鎖の機能分担を解明することである。平成20年度は以下の実験を行った。 1、再生期間の異なる再生肝よりGAGを精製し、その構造の特徴、再生過程における構造変化を解析した。また、肝細胞増殖因子など肝再生に関わる増殖因子と単離したGAGとの相互作用についても解析した。さらに、再生期間の異なる再生肝よりmRNAを単離し、GAGの生合成に関わる酵素群の発現レベルの変化についても調べた。 2、脳の各領域におけるCS/DSの発達に伴う硫酸化パターンの変化を解析した。ブタ胎膜、イカ肝臓外皮等から単離したCS/DSの構造を神経突起伸長促進活性の解析を行った。 3、発生研究のモデル生物であるアフリカッメガエルおよびゼブラフィッシュのGAGについて構造.機能の解析を行った。肝再生や脳の発達におけるGAGの構造・機能の変化を解明する上で、非常に良いモデルになると考えられる。 4、GAGの解析をより効果的に行うため、以下の研究を行った。(1)新規のエンド型CS加水分解酵素を発見し、その特異性を解明した。(2)サメヒレ軟骨のCSより標準品のオリゴ糖を調製し、その構造を決定した。(3)新規の抗体CS抗体を作製した。(5)HSの生合成に関わる酵素のノックアウトマウスを作製し、このマウスにおけるHSの構造・機能の解析を行った。
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