研究課題
市中感染型MRSAは健常人に感染し、社会上の問題となっそいる。市中感染型MRSAの病原性は、病院分離型MRSAよりも強い。高病原性の原因のひとつは、細胞外毒素であるPSMαの産生量の上昇であると考えられている。我々は病院分離されたMRSAが持つ可動遺伝要素SCCmec領域中のpsm-mec遺伝子が黄色ブドウ球菌の病原性を制御することを見出した。psm-mec遺伝子を実験株であるNewman株、ならびに市中感染型MRSAであるFRP3757(USA300)とMW12(USA400)に導入すると細胞外毒素であるPSMαの産生量が低下し、コロニースプレッディング能が抑制された。一方、バイオフィルム形成能は上昇した。終止コドン変異を導入したpsm-mec遺伝子、ならびに、プロモーター変異を導入したpsm-mec遺伝子の効果を検討した結果、psm-mec遺伝子の転写産物と翻訳産物の両者が病原性調節機能を有することが明らかとなった。市中感染型MRSAにはpsm-mecが存在せず、病院分離型MRSAにはpsm-mecが存在することから、市中感染型MRSAの高病原性はpsm-mec遺伝子の不在が原因であると推定される。一方、病院分離型MRSAにおいては、psm-mecがコロニースプレッディングと毒素産生を抑制し、バイオフィルム形成を促進するために、ヒト体内での持続感染が可能となっていると推定される。
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