研究課題/領域番号 |
20390023
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
津田 正明 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 教授 (80132736)
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研究分担者 |
田渕 明子 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 准教授 (40303234)
福地 守 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(薬学), 助教 (40432108)
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キーワード | PACAP / BDNF / Arc / CREB / SRF / カルシウム / MAL / MKL / アクチン |
研究概要 |
本年度は以下の項目について検討を加えた。 1.PACAP誘導性の活動依存的遺伝子発現制御系の解析 PACAPはPAC1レセプター活性化を介して、NMDAレセプターを活性化してBDNFエキソンIV mRNA合成を誘導する。この際、転写制御因子CREBを介する。同じくc-fos誘導も起こるが、転写制御因子SRFに依存した。また、このNMDAレセプターを介する転写制御系は、ドーパミンD1レセプター活性化や他のニューロペプチドによる刺激でも誘導された。したがって、この制御系は多くのシナプス伝達で共通に使われる一般性の高い制御系である可能性が高い。 2.Arc遺伝子プロモーターの解析 Arc mRNA発現はPACAPにより活動依存的に誘導されるとともに、BDNFによっても顕著に誘導される。すでに、活動依存的な誘導には上流7kbp付近のSARE配列が関与することが報告された。我々は、BDNFによる誘導には近位配列が関与していることを認めた。これら配列は、SARE配列はBDNFによる誘導にも使われるが、近位配列は活動依存的誘導には使われない、というような配列の使い分けが行われている。 3.MAL/MKLの関わった細胞骨格系遺伝子発現制御系の解析 アクチン遺伝子とArc遺伝子発現が、MAL/MKLによって調節されることが明らかとなった。
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