研究課題
基盤研究(B)
下垂体細胞アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)を初代培養神経細胞に作用させると、N-methyl-D-aspartate(NMDA)レセプター(NMDA-R)活性を亢進して、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子(Bdnf)など一連の最初期遺伝子群(c-fos,Arcなど)の誘導が引き起こされる。この機構について解析を進めた。Bdnf exon IV-IX(Bdnf-eIV)mRNA合成は、NMDA-Rからのカルシウム(Ca^<2+>)流入に100%依存しており、特にCa^<2+>シグナルによってカルシニューリン経路が活性化され、転写制御因子CREBが活性化されることが明らかとなった。他にβ-アドレナリン受容体やドーパミンD1レセプターを活性化しても、NMDA-R活性亢進を介した遺伝子発現が認められ、G-蛋白質共役型レセプター(GPCR)活性化による活動依存的な遺伝子発現制御系が共通に稼働している可能性が示された。この機構は、記憶/学習の機構ばかりでなく、多くの神経疾患発症あるいは薬物依存症などの原因を理解する上で重要な貢献を果たすものと期待される。これとは別に、MKLによる神経細胞における転写制御機構を形態変化との関連で解析した。この知見は、シナプス構造を保つ上での神経細胞内フィードバック制御機構の存在を示すものである。
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