年次研究計画に従って実験を行ない。先ず、in vivo神経細胞死モデル(カイニン酸誘発神経細胞死モデル)を確立した。次に、アルツハイマー病モデルマウス(カルパスタチンノックアウトマウス(CAST-KOマウス)と変異型アミロイド前駆体タンパク質トランスジェニックマウス(APP tg)との交配マウス(CAST-KO x APP tg)、およびCAST-KOマウスと変異型タウトランスジェニックマウス(タウtg)との交配マウスCAST-KO xタウtg)の作成および繁殖を行ない、現在加齢マウスの飼育を進めている。先行繁殖したCAST-KO xタウtgマウスについては、十分に加齢するまでに多くの動物が死亡してしまったため、本年度は体外受精により大規模な繁殖を行なった。一方、昨年度までに、CAST-KO x APP tgを解析して、APP tg単独に比較し、細胞外アミロイドの蓄積が促進すると共に細胞内リン酸化タウの蓄積および樹状突起の変性が現われることを見出していたが、今回例数を増やすことにより、前年度の結果を強固にすると共に(組織化学的解析)、組織化学用サンプルと同時に調製した生化学的解析用のサンプルを用いて、現在カルパイン活性化とアミロイド蓄積の促進およびリン酸化タウの蓄積における因果関係について詳細な解析を進めている。一方、カイニン酸誘発神経細胞死モデルについても、組織化学および生化学実験の両面から、カルパイン活性化と神経細胞死を繋ぐ内在性カルパイン基質の同定を進めている。
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