研究課題/領域番号 |
20390037
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
杉浦 幸雄 同志社女子大学, 薬学部, 特任教授 (40025698)
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研究分担者 |
根木 滋 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (50378866)
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キーワード | 亜鉛フィンガー / 転写因子 / DNA結合 / タンパク質デザイン / マルチフインガー / Zif268 / GAGA因子 / 遺伝子制御 |
研究概要 |
ゲノム化学を基礎にした新しい機能性亜鉛フィンガー蛋白質の設計、創製、および応用を目指して、先ず本年度は昨年度、作製したマルチ亜鉛フィンガー蛋白質の転写活性加能をルシフェラーゼ測定によって評価した。その結果、3-、6-、9-マルチ亜鉛フィンガー蛋白質の順に転写の活性化能は増加し、亜鉛フィンガーのマルチ化の重要性が機能面から明らかになった。特に、ゲノム中単一配列の標的に亜鉛フィンガーのマルチ化が有効であり、27塩基対のDNA配列を標的とする9-亜鉛フィンガー型転写因子が標的配列存在下でのみレポーター遺伝子を活性化することを明らかにした。しかし、セミスペシフィック標的配列との強い相互作用を生じることもあり、結果として細胞内での機能発現の遅延などの影響を及ぼす可能性が考えられた。これらの知見は、人工マルチ亜鉛フィンガー蛋白質の機能を最適化する上で極めて重要であると考えられる。 His_4型亜鉛フィンガードメインがアミノ酸エステルやリン酸エステルの加水分解能を有し、このドメインが触媒部位として活用できることを発見したので、このHis4型亜鉛フィンガードメインをSplのようなDNA塩基配列特異的結合能を持つ3つのCys_2His_2型亜鉛フィンガードメインに結合させた新しい亜鉛フィンガー蛋白質を作製した。この混合配位子型亜鉛フィンガー蛋白質は、DNA切断部位とDNA結合部位とを併せ持った制限酵素類似の触媒作用を示した。
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