研究課題/領域番号 |
20390045
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
有吉 範高 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (00243957)
|
研究分担者 |
北田 光一 千葉大学, 医学部・附属病院, 教授 (90110345)
|
キーワード | チエノピリじン / 重篤肝障害 / Idiosyncratic / HLA ハプロタイプ / 遺伝子診断 / 臨床研究 |
研究概要 |
初年度は、研究実施計画書にそって本研究の核となる病院内で実施可能な肌HLA-Aハプロタイプ解析法の開発を行った。本研究で標的とするHLA-Aのハプロタイプは600種類以上が知られている。そこで交付申請書では、日本人の99.5%以上を説明できるとされている12種類のハプロタイプから目的のHLA-A*3303 をホモ接合体、あるいはヘテロ接合体で有する検体をかなりの正確性(少なくとも検査会社で行われているレベルである低分解能の解析以上の精度)をもって集団から抽出できる方法を開発する、としていた。 診断法は、まず第6染色体のMHCクラスターからHLA-A遺伝子だけを特異的に増幅し、その後、多数のSNPが集中するexon 2およびexon 3の塩基置換情報を基にallele-specific(AS)PCRを行う、nested PCRとした。これにより、目的のHLA-A*3303の有無を絞りこみ、最後にHLA-A*3303がヘテロ接合体か、ホモ接合体かを明らかにするためのSSCP解析を行った。 開発した診断法を用いて、日本人健常者ボランティア140名より得たゲノムDNA(遺伝子解析研究への利用に同意済み)でHLA-A*3303のallele頻度を求めたところ、0.082であり既報(0.078〜0.128)と一致した。次に、無作為に抽出した21検体の遺伝子診断を行い、その結果を2っの検査機関に解析を委託して得られた結果と比較を行った。その結果、21検体中20検体は、判定結果が完全に一致したが、1検体のみ異なっており、診断法の開発課程でターゲットとしていなかったマイナーハプロタイプのHLA-A*2420が原因であり、このハプロタィプの存在による誤診断の問題を解決した。開発した診断法は、日本薬学会年会第129年会で報告した。 二年度目以降に実施する臨床試験のための、循環器内科・冠動脈疾患治療部医師と相談しながら生命倫理審査委員会に研究承認申請を行い、すでに承認された。
|