薬物動態関連遺伝子に見るコピー数多型(CNV)のヒト生体中における意義解明

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20390048
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 医療系薬学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 家入 一郎 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (60253473)
• 研究分担者: 廣田 豪 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80423573)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 薬物動態 / 遺伝子 / コピー数多型 / CNV / 薬剤反応性

研究概要

新規にcalibrator vectorを用いた絶対的コピー数多型の迅速な解析法を確立すると同時に、健常成人及び非小細胞肺がん検体を用いてPK/PD関連遺伝子のCNV解析を行い、その有用性を検証した。Real-time PCR法を用いるために、プライマー・プローブの設計に留意が必要なものの、迅速かつ簡便に多検体を処理できる点、また絶対的コピー数を求めることができる点で、特に臨床に即したCNV解析法として有用であると考えられる。健常成人及び非小細胞肺がん検体においてのCNV 解析では、薬物動態・薬力学関連遺伝子の一部に新規のCNVが見られ、その様態について詳細に検討した。機能変化をもたらす新規変異を特定したが、CNVの臨床的意義に関してはさらなる検討が必要である。

研究成果

• [雑誌論文] Systematic screening of human ABCC3 polymorphisms and their effects on MRP3 expression and function. (2011)
  • 著者名/発表者名: Sasaki T, Hirota T, Ryokai Y, Kobayashi D, Kimura M, Irie S, Higuchi S, Ieiri I.
  • 雑誌名: Drug Metab Pharmacokinet. Apr22
  • 査読あり
• [雑誌論文] Novel large-scale deletion (whole exon 7) in the ABCC2 gene in a patient with the Dubin-Johnson syndrome. (2009)
  • 著者名/発表者名: Kanda D, Takagi H, Kawahara Y, Yata Y, Takakusagi T, Hatanaka T, Yoshinaga T, Iesaki K, Kashiwabara K, Higuchi T, Mori M, Hirota T, Higuchi S, Ieiri I.
  • 雑誌名: Drug Metab Pharmacokinet. 24(5) ページ: 464-468
  • 査読あり
• [学会発表] 薬物動態関連遺伝子のCopy Number Variation解析とその活用における留意点日本薬学会 (2009)
  • 著者名/発表者名: 家入一郎、木下智広、廣田豪、安東幸恵、樋口駿
  • 学会等名: 第129回年会
  • 発表場所: 京都国際会議場
  • 年月日: 2009-03-28
• [学会発表] Real Time PCR法を用いた薬物動態関連遺伝子のCopy Number Variation (CNV)解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 木下智広、廣田豪、安東幸恵、家入一郎、樋口駿
  • 学会等名: 第25回日本薬学会九州支部大会
  • 発表場所: 九州保健福祉大学薬学部
  • 年月日: 2008-12-07
• [学会発表] Determination of CYP2D6 copy number variation by real-time quantitative PCR in Japanese. (2008)
  • 著者名/発表者名: 安東幸恵, 木下智広, 廣田豪, 樋口駿, 家入一郎
  • 学会等名: 2^<nd> Asian Pacific ISSX Regional Meeting
  • 発表場所: School of pharmacy, Fudan University
  • 年月日: 2008-05-13
• [図書] 抗癌剤のPK/PD関連遺伝子におけるコピー数多型と遺伝子発現の臨床的意義の評価 修士論文 (2010)
  • 著者名/発表者名: 近森綾子
• [図書] Real-time PCR法を用いたpharmacokinetics/pharmacodynamics関連遺伝子のCopy Number Variation (CNV)解析修士論文 (2009)
  • 著者名/発表者名: 木下智広