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2010 年度 実績報告書

ヒト末梢型コリン神経系の機能形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20390051
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

木村 宏  滋賀医科大学, 名誉教授 (40079736)

キーワード末梢型コリンアセチル基転移酵素 / アセチルコリン / 腸管神経系 / アミノ酸配列 / 抗体作成 / 免疫組織化学 / 神経伝達物質
研究概要

本研究者らは、神経伝達物質の一つアセチルコリン(ACh)の合成を担うコリンアセチル基転移酵素(ChAT)にはcChATとpChATの2種類があること、それぞれの酵素を含有する2種のコリン神経系が生体にあること、pChATは従来から知られているコリン神経系の他に、神経堤由来の神経細胞(第一次感覚神経節細胞・交感神経節後神経細胞・腸管壁内神経細胞)にも分布すること等を提唱してきた。これら2種のACh合成酵素が存在する意義を解明する一つの手段としてヒトpChAT酵素に対する抗体を作成し、ヒト腸管神経系などにおける末梢コリン神経を免疫組織化学的に可視化する技術開発を目指した。初年度から3年間の研究により、この技術開発の鍵となるヒトpChATタンパクの構造解析を行った。ヒトpChATタンパクのアミノ酸配列は他の哺乳類のpChATタンパクと90%以上のホモロジーが認められたが、ヒト特異的アミノ酸配列がエクソン5と10の接合部領域に存在することが明らかとなった。そこでこのヒト特異配列pChATペプチドを抗原としてマウスを免疫したところ、特異抗体の作成に成功した。この抗体はヒトcChATを認識せず、またラットやマウスのpChATとも全く交叉反応を示さなかった。この抗体を用いてヒト腸管を免疫組織化学法で染色したところ、ヒトpChAT含有神経細胞を初めて観察することができた。したがって、本研究の目標は達成されたものと云える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Peripheral type of choline acetyltransferase : Biological and evolutionary implications for novel mechanisms in cholinergic system.(2011).2011

    • 著者名/発表者名
      Bellier JP, Kimura H.
    • 雑誌名

      J Chem Neuroanat.

      巻: (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Immunohistochemical demonstration of cholinergic structures in central ganglia of the slug (Limax maximus, Limax valentianus).2011

    • 著者名/発表者名
      D'Este L, Casini A, Kimura S, Bellier JP, Ito E, Kimura H, Renda TG.
    • 雑誌名

      Neurochem Int.

      巻: 58(5) ページ: 605-611

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Choline acetyltransferase of the common type immunoreactivity in the rat brain following different heroin treatments : a pilot study.2011

    • 著者名/発表者名
      Casini A, Vivacqua G, Pontieri FE, Kimura H, Bellier JP, D'Este L, Renda TG.
    • 雑誌名

      J Chem Neuroanat.

      巻: 41(2) ページ: 111-121

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nuclear choline acetyltransferase activates transcription of a high-affinity choline transporter.2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuo A, Bellier JP, Nishimura M, Yasuhara O, Saito N, Kimura H.
    • 雑誌名

      J Biol Chem.

      巻: 286(7) ページ: 5836-5845

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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