研究概要 |
これまでに、肝星細胞活性化における既知のマイクロRNAの発現変動を検索したところ,miR-34c, miR-99a, miR-27b, miR-214, miR-222など12因子の発現上昇とmiR-143, miR-195,など10因子の有意な発現減少が確認できた。英国のサンガー研究所のデータベースを用いた解析を行ったところ肝星細胞の活性化との関連が深い因子であるCollagen 1A2がmiR92, 19b, 26, Sp1, CDC42がmiR-92 335と関連付けられた因子であると判明した。さらにNCBIのデータベースを用いた解析を行ったところmiR92がゲノムシーグエンス上で数個の他のマイクロRNAとクラスターを形成していることが明らかとなった。臓器線維症(肝硬変)においては,この活性化線維芽細胞(活性化肝星細胞)が責任細胞と考えられており,この星細胞の活性化によって示される細胞増殖,細胞外マトリックスの産生にマイクロRNAがどのような影響を及ぼしているかが最も重要なポイントとなる。そこで,この細胞増殖と細胞外基質に絞り検索を行ったところ,E2F, BAMBIという興味深い因子の発現制御に影響を及ぼすことが認められたので,これらの3'UTRをレポータージーン(LUC)の下流に挿入しmiR-17-92とのco-transfectionを行ったところ,実験的にもmiR-17-92がこれらの因子を制御していることが明らかとなった。
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