研究課題
1) プロテアーゼ構造修飾とリサイクル効率HA-ENaC発現細胞(野生型)とmyc-ENaC発現細胞(変異導入型)においてプロテアーゼ処理(実験系1)およびプロテアーゼ遺伝子を共発現(実験系2)させた後、エンドサイトーシス/リサイクルが可能な条件(37℃)で標識(1次)抗体によりENaCを特異的にラベルして一定時間後に氷冷して反応を止め、細胞膜表面に存在するENaCだけから標識抗体をはずした。このあと、細胞を37℃に戻し、一定時間後に細胞膜表面を標識(1次)抗体に結合する2次抗体を反応させ、リサイクルされてきたENaCを2次抗体標識マーカーにより定量化した。この結果から、プロテアーゼによる構造修飾がリサイクル効率を上昇させることが示唆された。2) ユビキチン化とリサイクル効率1. ユビキチン化とリサイクル効率の関連性について明らかにするために、HA-ENaC(野生型)とmyc-ENaC(変異導入型)遺伝子それぞれにNedd4-2との結合に重要なPY motifに変異導入してNedd4-2と結合できない安定発現系を構築した。2. 上記(1)で構築したHA-ENaC(野生型)とmyc-ENaC(変異導入型)のそれぞれでPY motifに変異導入した系としない系を用いて、上記の1)プロテアーゼ構造修飾とリサイクル効率と同じ方法で細胞内のendosomeなどに取り込まれたENaCのみを標識抗体でラベルして、その後のリサイクル効率を2次抗体を反応させることで定量化して、PY motifへの変異導入がリサイクルにどのような影響を及ぼしたかを検証した。この実験結果より、ユビキチン化によりリサイクル効率が低下するということが、示唆された。
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