研究課題/領域番号 |
20390061
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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研究分担者 |
出崎 克也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90337329)
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10305120)
加計 正文 自治医科大学, 医学部, 教授 (90214270)
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キーワード | グレリン / インスリン分泌 / 糖代謝 / 膵島 / Kチャネル / GKラット / グルコース / グレリン受容体 |
研究概要 |
1. グルコース、グレリンのインスリン分泌・糖代謝調節作用におけるKv2.1チャネルの役割 ラット膵島にはKv2.1チャネルが発現しており、Kv2.1チャネルブロッカーはラット分離膵島からのグルコース誘発インスリン分泌を促進し、β細胞Kv電流を抑制した。Kv2.1チャネルブロッカー存在下では、グレリンによるKv電流活性化とグルコース誘発インスリン分泌抑制が消失した。以上より、膵β細胞ではKv2.1チャネルがβ細胞グルコース誘発インスリン分泌の制御因子として機能しており、グレリンによるグルコース誘発インスリン分泌抑制作用には、β細胞におけるKv2.1チャネルの活性化が関与すると考えられる。 2. 2型糖尿病のインスリン分泌不全におけるKv2.1チャネルの関与 GKラットはWistarラットと比較して膵島におけるKv2.1の発現が元進しており、GKラットβ細胞ではKv2.1チャネルブロッカー感受性チャネル電流が増大していた。2型糖尿病ラットβ細胞ではKv2.1の発現増大によるKvチャネル電流の増強がインスリン分泌不全に関与することが示唆される。 3. GKラットの膵島グレリン発現、血中グレリンレベル変化 GKラットはWistarラットと比較して膵島におけるグレリン発現が元進していた。食後の血中グレリンレベル低下がGKラットでは減弱しており、これらがGKラットのインスリン分泌不全の一因である可能性がある。 4. GKラットへのグレリン受容体阻害剤長期投与 浸透圧ポンプを用いてGKラットに対するグレリン受容体拮抗薬([D-Lys3]GHRF6)長期投与の効果を検討した結果、GKラットの随時血糖が低下し、さらにグルコース負荷試験時のインスリン分泌応答が元進し耐糖能の改善を認めた。
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