研究課題
Prtt3は、リガンドが未同定のいわゆるorphan受容体で、長い細胞外領域と7つの膜貫通部位を持つfamily Cに属する代謝型受容体と考えられる。極めて特徴的なこととして、スプライシングの違いにより、上記代謝型受容体(Prrt3-Long)と、その細胞外領域のみからなる分泌蛋白(Prrt3-Short)の両方が作られることが知られている。その機能的意義にアプローチするために、まず、Prrt3-LongのN端に対する(Prrt3-Shortをも認識する)抗体N2と、C端に対する(Prrt3-Longのみを認識する)抗体C1を作成し、マウスにおけるこれらの蛋白の発現パターンを免疫組織化学的に解析した。その結果、以下のことが明らかになった。(1)Prrt3 Shortは脳室の脈絡膜上皮細胞に発現している。(2)Prrt3 Shortは、脳脊髄液中に確かに分泌されている。(3)Prrt3 Longは、小脳プルキンエ細胞の直下の層に、プルキンエ細胞を包むように発現している。Pinceauと呼ばれる、Basket細胞のプレシナプス終末であると考えられる。(4)Prrt3 Longは、心筋細胞の介在版に強く発現しており、Connexin43と共局在している。(5)Prrt3 Longは、膵臓において大小の膵管壁に発現している。(6)Prrt3 Longは、精巣において、精原細胞に発現している。現在、より詳細な解析を継続している。
すべて 2008
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Journal of Neurochemistry 107
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Biochemical and Biophysical Research Communications 377
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