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2010 年度 実績報告書

生活習慣病の病態形成における新規活性酸素産生酵素の役割解明と治療戦略への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20390071
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

矢部 千尋 (西村 千尋)  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (70150571)

研究分担者 岩田 和実  京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (60305571)
松野 邦晴  京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (50420708)
キーワード循環器・高血圧 / 糖尿病 / シグナル伝達 / 薬理学
研究概要

現在用いられる高血圧や高脂血症治療薬のほとんどは活性酸素産生酵素NADPHオキシダーゼの活性抑制作用を有し、これらの薬物は糖尿病合併症治療にも有効であることが報告されている。このことは本酵素がこれら生活習慣病の病態形成に基盤的な役割を担っていることを示唆している。腎臓では本酵素のアイソフォームNOX1、2、4が発現しており、中でもNOX1は糖尿病性腎症の病態形成に関与するアンジオテンシンIIにより発現が増加すること、2型糖尿病における腎症の疾患感受性候補遺伝子であることが報告されていることから、腎障害に関与している可能性が考えられる。そこで本研究ではNOX1遺伝子欠損マウス(KO)にストレプトゾトシンで高血糖を誘発し、腎病変におけるNADPHオキシダーゼの役割と本酵素由来のROSがどのような分子機構で病態に関わっているかを明らかにすることとした。
高血糖誘発後3~8週で腎臓のNOX1の発現が有意に上昇していた。しかし腎機能の指標である尿中アルブミン量、血清BUN、クレアチニン、糸球体ろ過率(GFR)、尿中Na^+/K^+/Cl^-排出について両遺伝子型マウスで差をみとめなかった。一方、酸化ストレスの指標である尿中8-OHDGと腎組織TBARSはKOで低下を示し、野生型で認められる腎組織p38MAPKの活性化もKOで有意に抑制されていた。以上の結果からNOX1由来のROSは腎臓酸化的ストレスの亢進とp38MAPKの活性化に寄与することが明らかとなり、NOX1は高血糖に伴う細胞老化やアポトーシスに関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Renal redox-sensitive signaling in type 1 diabetes is suppressed in Nox 1-deficient mice2011

    • 著者名/発表者名
      Zhu Kai, Matsumoto M, Iwata K, Yabe-Nishimura C
    • 学会等名
      第83回日本薬理学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-03-17

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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