研究課題
amphiregulinおよびepiregulinは細胞膜に発現するI型膜蛋白質であり、その細胞外領域は増殖因子活性を有する。細胞に様々な刺激が加わると、これらの膜型増殖因子はsheddingを受け増殖因子領域を放出すると同時にカルボキシ末端断片(CTF)を産生する。昨年までの研究でCTFと同時に、sheddingされずに細胞膜に残るunshed formが、共にエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれER/核膜に局在変化し、ピストン蛋白質のメチル化を抑制することでグローバルな転写抑制を起こすことを明らかにしてきた。また、CTF産生の重要な反応であるsheddingを制御する因子の同定を試み、amphiregulin-regulating protein 35 (ARP35)を同定した。ARP35はamphiregulinとそのshedding酵素であるADAM17に結合することを明らかにした。ARP35ノックダウンではamphiregulinのsheddingが抑制されることを見出した。ARP35ファミリー分子は12種のメンバーからなることから、本年度は、さらに他のメンバーについても同様の検討をした結果、amphiregulinとADAM17の双方に結合するARP35ファミリー分子としてさらに3つのメンバーARP35-2,-8および-9を同定し、その機能を解析した。その結果、ARP35-2はsheddingを抑制し、ARP35-8および-9はsheddingを活性化することを見出した。さらに、ARP35-2,-8および一9について、epiregulinに対する効果を検討した結果、amphiregulinのshedding制御とほぼ同等の結果を得た。以上のことから、ARP35はamphiregulinおよびepiregulinを含むEGFファミリーメンバーに対し、幅広く機能する可能性が示唆された。
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