研究概要 |
我々はいくつかのBmp(骨形成因子)リガンド、Bmpアンタゴニスト、ノギンを含む相互作用が胎児後端部形成を制御する事を示した。本計画は総排泄腔等に由来するBmpシグナルが膀胱等の形成に機能するか解明を進め、泌尿生殖系器官形成や、Bmpが関与する病態発症過程に如何に機能するのか解析を進める。本年度は EMT制御において一般的に作用を示すZeb1及びZeb2遺伝子の発現パターンを解析した。愛知県コロニー研の東雄二郎博士らとの共同研究でZeb1及びZeb2マウスの膀胱をはじめとする泌尿生殖系器官での機能解析を準備した。そのため、泌尿生殖系器官で機能するCreドライバーマウスを検定した。そのためHox A3, CAG, Cre E2マウス、FstCreマウスなどの検定を行った。その結果Hox A3, Creドライバーは胎児後部において強い活性を示す事がわかり、またCAG-Creマウスドライバーにおいてタモキシフェン誘導し、時期特異的な遺伝子改変を行う条件を整備した。更にZeb1及びZeb2遺伝子の発現解析を行い、Zeb1(D-EF1)は泌尿生殖系の上皮に発現が主に見られることが判明した。Zeb2(Sip1)は尿道等の上皮に加え、外部生殖器上面及び骨盤内尿道間葉、膀胱間葉等において発現していることが判明した。Zeb2については、同じ間葉組織においても外部生殖器中心部の間葉凝集部分においては発現が陰性で、一方膀胱間葉においては上皮直下部で発現が弱く周辺の平滑筋予定領域において発現が強いという差が観察された。
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