研究課題
ゲノムワイド関連解析により、統合失調症に関わる遺伝子として同定した6遺伝子のうち、SMARCA2遺伝子とPDLIM5遺伝子について、精神病惹起薬物や抗精神病薬の投与により詳しく検討した。マウスを用いた実験によりSmarca2遺伝子は精神病症状を惹起する薬物では遺伝子発現が有意に低下し、ゲノムワイド関連解析により、統合失調症に関わる遺伝子として同定した6遺伝子のうち、SMARCA2遺伝子とPDLIM5遺伝子について、精神病惹起薬物や抗精神病薬の投与により詳しく検討した。マウスを用いた実験によりSmarca2遺伝子は精神病症状を惹起する薬物では遺伝子発現が有意に低下し、抗精神病薬では遺伝子発現が有意に上昇した。以上よりSMARCA2がコードしているBRMタンパク質が統合失調症の鍵分子の1つであると推測された。BRMは多くの遺伝子発現の調節に関わっている。そこで、BRMが直接結合する遺伝子をChiPアッセイで探索した。その結果、HOMBRI遺伝子とKMO遺伝子のプロモーター領域と直接結合していることが判明した。HOMER1遺伝子はShank-GKAP-PSD95-NMDA受容体複合体を形成し、シナプス伝達機能に影響を与えること、そのノックアウトマウスは統合失調症のモデルとして適合することが知られている。またKMO遺伝子は統合失調症に関係するキヌレン酸パスウェイに関わっている。これらの結果から、本研究よりBRMの鍵分子はすでに統合失調症の病態と関わっている推測されている複数の統合失調症に関わる鍵分子であることが判明しつつある。PDLIM5遺伝子についてはヘテロノックアウトマウスとワイルドタイプの比較を行い、精神病惹起物質により、ヘテロノックアウトマウスはドーパミン代謝が更新しているにもかかわらず、その反応性は低く、シナプス後の反応性に変化をきたしていると推測された。
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