研究課題/領域番号 |
20390106
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
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研究分担者 |
岩渕 和也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (20184898)
柳川 芳毅 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (20322852)
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キーワード | NK-T細胞 / 樹状細胞 / 免疫制御 / サイトカイン / 自然免疫 / TLR / オステオポンチン |
研究概要 |
本プロジェクトでは、樹状細胞によるNK-T細胞機能修飾により、引き続いて誘導される獲得免疫応答を生体にとって都合の良いものにする戦略を開発することを日的とした。先ず樹状細胞を刺激する経路によって、樹状細胞の分化・機能を制御することによる効果を解析した。その結果、TLR9経由で刺激された樹状細胞は、NK-T細胞の産生するサイトカインをTh2(IL-4)優位に誘導することが判明した。そのメカニズムとして、樹状細胞上のH-2クラスI分子の発現増強によるLy49からの負のシグナルが関与することを明らかにした。次にTLR4とTLR2刺激を解析したところ、TLR4とTLR2同時刺激の樹状細胞では、IL-10産生が相乗的に増加することが判明した。また、このIL-10産生増強に関与するシグナル伝達分子を明らかにした。このような効果はIL-12産生では認められなかった。一方、ガンマインターフェロンがIL-10の免疫制御効果を促進することを発見した。これらの結果から、TLR4、TLR2同時刺激が生ずるような感染においては、免疫制御機構が誘導されることが示唆された。我々は既に活性化NK-T細胞が動脈硬化症を増悪することを報告している。今回、高脂肪食を与えたマウスでは、逆にNK-T細胞がTh2タイプのサイトカインを産生し、獲得免疫におけるT細胞反応においてもTh1型を抑制することを明らかにした。これまでNK-T細胞がオステオポンチンを産生し、種々の自己免疫疾患を悪化させることを明らかにしている。今回、オステオポンチン自身がNK-T細胞の分化成熟化にも必須の分子であることを発見した。
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