研究課題
本研究では、一般に従来解析されてきたモデルマウスの大部分を占めるMus musculus domesticusとは異なり、この亜種から約100万年前に分岐したと考えられているM.m. molossinusに由来するMSMMsマウスと、M.m. domesticusに由来する膠原病モデルマウスMRL/lprとの交配を行い、新たな膠原病感受性遺伝子を同定することを目的としている。昨年度、MSM/Msアレルで糸球体腎炎の発症を顕蓍に抑制するAutoimmune glomenulonephritis MSM resistance 1(Agnmr1)をマップし、その位置的候補遣伝子Cd59aのプロモーター領域の多型を見出したが、今年度は、この遺伝子に着目し、この領域のみがMSM/Msマウスゲノムに由来するリコンビナントコンジェニックマウスであるMRL/lpr-Cd59a^<MSM>を完成し、その病態、病理解析を行った。その結果、この系統では、MRL/lprマウスに比して、糸球体腎炎が顕蓍に抑制されていること、さらには、腎血管炎の発症も抑制されていることを見出し、Cd59aが糸球体腎炎のみならず血管炎の発症の感受性遺伝子であることを明らかにした。また、Cd59a多型の機能的差異を明らかにするため、Cd59aの翻訳領域無細胞系タンパク質合成系にて合成し、これに対する抗体を作成した。現在、この抗体投与による糸球体腎炎、血管炎のリモデリングについて、LPSや抗糸球体基底膜抗体の投与と並行して、解析中である。
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