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2010 年度 実績報告書

Ca非依存性PLA2による新しい免疫制御メカニズムと神経変性疾患への関与

研究課題

研究課題/領域番号 20390117
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

清野 研一郎  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20312845)

キーワード疾患モデル動物 / NKT細胞 / INAD
研究概要

本研究により我々が世界で初めて樹立したCa非依存性PLA2ベータ(iPLA2β、Pla2g6)に点突然変異を持つマウスライン(Pla2g6-inad)に関して詳細な解析を進めた。神経系における異常発現のメカニズムを探るべく脳抽出物の脂質成分を解析したところ、2次元電気泳動のレベルではコントロール群と比べて大きな差は認められなかった。一方、同マウスの免疫学的な異常に関する検討として、末梢リンパ組織におけるNKT細胞のサイトカイン産生パターンについて検討を行った。α-galactosylceramideによる刺激でPla2g6-inadマウスの脾臓細胞からはコントロール群に比べて多量のIFN-γ、IL-4,IL-13などのサイトカインの産生が認められた。しかし、Th1,Th2、Th17のいずれかへのシフトは認められず、細胞数の違いによる影響が大きいと考えられた。また、Pla2g6-inadマウスの骨髄細胞を放射線照射した正常マウスに入れる、あるいはT細胞不全マウスにPla2g6-inadマウスの胸腺組織を移植する実験を昨年に引き続き行ったところ、NKT細胞のポピュレーションに変化は生じなかった。また、胸腺内および脾臓内のCD4,CD8細胞の比率にも大きな変化は認められなかった。最後に、乳児型神経軸索ジストロフィーの原因遺伝子として、PLA2G6以外の遺伝子に着目し検討を進めたところ、マウスではある遺伝子の異常でINADフェノタイプが誘発されることが判明した。そこで、OregonのDr.Susan Hayflickとの共同研究で、ヒトINAD患者のDNAを供与いただき、この遺伝子に異常がないかどうか検討中である。もしポイントミューテーション等が見つかれば、PANK2、PLA2G6に続く新たな原因遺伝子として、本疾患の理解を深めることに大いに貢献することと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Successful differentiation to T cells, but unsuccessful B-cell generation, from B-cell-derived induced pluripotent stem cells.2011

    • 著者名/発表者名
      Wada H, Kojo S, Kusama C, Okamoto N, Sato Y, Ishi zuka B, Seino K.
    • 雑誌名

      Int Immunol

      巻: 23 ページ: 65-74

    • 査読あり
  • [学会発表] Successful differentiation to T cells, but unsuccessful B-cell generation, from B-cell-derived induced pluripotent stem cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Wada H, Seino K.
    • 学会等名
      Natural Immunity & NK2010
    • 発表場所
      DUBROVNIK, Croatia
    • 年月日
      2010-09-14

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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