研究課題
赤痢アメーバには>50のCPが存在するが、それぞれの機能並びにその輸送経路はほとんど理解されていない。各々のCPの機能的相違を理解することを目的として、関連種Entamoeba invadensを用いて嚢子過程におけるCPの発現プロファイルの変化を追跡することにより、CPのステージ特異的な発現を解析した。同時にCPの輸送調節の中心分子である>90種以上のRabの発現の変動をモニターした。まず、E.histolyticaのゲノム上で発見された約50のCPと90のRabの相同遺伝子、並びにE.invadens特異的遺伝子の注釈付け(アノテーション)を行った。その結果、ほとんどのE.histolyticaのホモログはE.invadensに存在する一方で、CP-A群ではA2,A3のアイソタイプで、CP-B群では多くのアイソタイプに関してE.invadens特異的な遺伝子の多重化が起こっていた。一方、Rab遺伝子は他種生物と保存性の高いRab1,Rab2,Rab7,Rab11等で両者間で極めて高い相同性が見られた。一方、E.invadensに特異的な7種のRab遺伝子、E.histolyticaに特異的な19種のRab遺伝子が発見された。これらの遺伝子のE.invadensの嚢子化過程における発現変化を調べたところ、栄養型特異的に発現する18種のCPとシスト特異的な5種のCPが同定された。また、Rab遺伝子に関しても様々なパターンで発現する遺伝子群が特定され、約20のRabが嚢子で発現上昇した。以上嚢子化に伴いCP並びにその輸送経路は大胆なリモデリングを受けることが明らかとなった。
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