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2008 年度 実績報告書

裁定委員会に高度病原体の新分類法を提案するための根拠とする遺伝情報の収集

研究課題

研究課題/領域番号 20390124
研究機関岐阜大学

研究代表者

江崎 孝行  岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90151977)

研究分担者 大楠 清文  岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40362173)
キーワード大腸菌 / 赤痢菌 / 病原性大腸菌 / 分類 / Shigella / E. coli / S. flexneri / S. dysenteriae
研究概要

微生物分類の裁定委員会の提出する意見として、分類学的に大腸菌と赤痢菌の4菌種が同じ種であることを検証する証拠となるデータを蓄積した。両属に所属する菌種の16S rDNA、ropB, GyrB、およびDnaJ配列を決定し、Shigella属の4菌種がEscherichia coliの0抗原型160標準株のdnaJ多型の中に完全に入り込む事を証明した。病原性大腸菌の中で志賀毒素を出す株とShigella dysenteriaeは同じであり、組織侵入性大腸菌とShigella flexneri, S. sonnei,およびS. boydiiは実質的に同じ病原因子を保有している。
病原性大腸菌の多くは旧来の生化学的同定法を使って同定している検査現場では見逃されている。Shigella属の4菌種をEscherichia coliとし、病原因子を保有する株を識別する検査方法を導入することは、現在、検査対象から漏れている病原性大腸菌を病原因子の保有の有無で見分ける正しい検査体勢を導入するための重要な一歩となる。
乳糖を分解する株が多い出血性大腸菌0157は病原性大腸菌を乳糖分解の有無で識別する検査方法では識別できないためソルビトールで識別する培地が開発され汎用されるようになった。しかし0157以外の出血性大腸菌をすべてスクリーニングする方法は開発されていない。このように生化学的性状で分離鑑別する手法をでは見逃しのない検査法は構築できないため直接病原因子の保有を検査する方法を推進するためには分類体系を再構築する必要がある。今後はIUMS国際会議札幌2011年の裁定委員会に向けて命名規約上で保存名になっているShigella属の分類規約の変更申請を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 大腸菌と赤痢菌の再分類の提案2009

    • 著者名/発表者名
      江崎孝行
    • 学会等名
      東海乳酸菌研究会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-02-07
  • [学会発表] 細菌の新しい分類体系に従った菌種の同定法2009

    • 著者名/発表者名
      江崎孝行
    • 学会等名
      日本臨床微生物学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2009-02-01
  • [学会発表] Primer Cocktail Screening System of Live Enteric Pathogens in Food2008

    • 著者名/発表者名
      林将大, 江崎孝行
    • 学会等名
      日米コレラ合同研究会
    • 発表場所
      博多
    • 年月日
      2008-11-18
  • [学会発表] 食中毒細菌の検出・同定システムの新展開2008

    • 著者名/発表者名
      江崎孝行
    • 学会等名
      日本食品微生物学
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2008-11-12
  • [学会発表] 感染症の診断と治療 : 細菌感染症2008

    • 著者名/発表者名
      江崎孝行
    • 学会等名
      日本遺伝子診療学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2008-08-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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