研究課題/領域番号 |
20390129
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40236914)
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研究分担者 |
林 周平 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40322185)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
内山 良介 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (20456891)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / 好酸球 / インターロイキン33 / ST2(IL-33受容体) / 胃粘膜上皮細胞 / 好中球 |
研究概要 |
ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)はヒトの胃粘膜表層に慢性感染し、胃・十二指腸潰瘍や胃ガンの発症に深く関わるが、慢性感染のメカニズムは不明である。H.pyloriに感染した胃には、好酸球集積を代表とする炎症制御応答が誘導される事実に着目し、好酸球集積がどのような分子・細胞メカニズムで誘導され、どのような機序で生体防御応答を制御して慢性感染を許すのかについて解明することを目的とする。本年度は、マウス感染モデルを用いて、以下の項目を明らかにした。(1)胃粘膜上皮細胞は恒常的にIL-33を核内に発現することが分かった。(2)胃粘膜上皮細胞に野生型のH.pyloriをin vitroで接種すると、IL-33の遺伝子発現はさらに上昇した。(3)重要な毒性因子であるIV型分泌装置の構成蛋白を欠損したH.pyloriを接種した場合は、この応答は認められなかった。(4)IL-33の受容体であるST2の遺伝子を欠損したマウスに野生型のH.pyloriを経口接種し、経時的に胃をサンプリングし、H.pyloriの菌数を定量したところ、H.pyloriの胃における定着は、野生型感染マウスと遜色なかった。しかし、慢性感染期においては、野生型感染マウスに比べて、有意に高い菌数を観察した。これらのことから、宿主がHp刺激に応答して産生するIL-33はH.pyloriの排除に重要であることが証明された。
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