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2009 年度 実績報告書

細胞性免疫により選択されるHIV-1逃避変異ウイルスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20390134
研究機関熊本大学

研究代表者

滝口 雅文  熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (00183450)

キーワード感染防御 / ワクチン / 免疫逃避 / CTL
研究概要

本研究では、HIV-1特異的CTLによる逃避変異の選択がどのような機序で起きるのかを明らかにし、CTLにより生じた逃避エピトープがHIV-1感染者集団の中でどのような機序で集積されるのかを解明する。さらに、逃避変異が新たなHIV-1感染者の抗HIV-1免疫に及ぼす影響を明らかにし、これにより、現在流行している変異性に富んだにHIV-1に対するワクチン開発の戦略を検討する。具体的には、1)逃避変異の選択と特異的CTLのHIV-1増殖抑制能との関連性、2)CTLによる免疫圧を規定する因子の同定、3)逃避変異のHIV-1感染者集団での蓄積の機序、4)逃避変異に対する免疫反応、について明らかにする。その結果平成20年度は、以下のような成果を得られた。
25年以上HIV-1に感染している血友病患者のHIV感染者の解析で、強いHIV増殖抑制能をもったPol283特異的HLA-B*5101拘束性CTLが選択する逃避エピトープを解析したところ、ウイルス量が高くなった患者では、エピトープの8番目がIから逃避変異であるTに置換していたが、一方、ウイルス量が低く抑えられた患者ではすべてVに置換していた。Vへの置換はT細胞の認識にも影響を与えず、むしろfitnessは低下したことから、このような8Vウイルスを獲得した患者には有利と考えられた。しかしながら、この8V変異ウイルスの認識は81ウイルスよりやや低下していることが、8Vと8Iのウイルスを同時に感染させた細胞に対する特異的T細胞によるHIV増殖抑制を調べる試験により確認でき、8Vは逃避ウイルスでもあり且つ患者には有利に働く変異ウイルスであると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Different in vivo effects of HIV-1 immunodominant epitope-specific CTLs on selection of escape mutant viruses

    • 著者名/発表者名
      Koizumi H., et al.
    • 雑誌名

      J Virol (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Long-term control of HIV-1 in hemophiliacs carrying slow-progressing allele HLA-B*5101

    • 著者名/発表者名
      Kawashima Y., et al.
    • 雑誌名

      J Virol (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Control of HIV-1 by HIV-1 Pol-specific CD8+ T cells in chronically HIV-1-infected Japanese cohort2009

    • 著者名/発表者名
      Murakoshi H., et al.
    • 学会等名
      AIDS Vaccine 2009
    • 発表場所
      Marriott Rive Gauche Conference Center(Paris, France)
    • 年月日
      2009-10-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.caids.kumamoto-u.ac.jp/data/takiguchi/default.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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