研究課題
免疫機構は病原体などの異物を認識し、排除するために防御応答を誘導するシステムである。宿主応答を誘導するか否かの決定、誘導する宿主応答の質、強さはいろいろな要素によって決定されるが、大きく関与する分子群として、Toll-like receptor(TLR)を中心とする病原体センサーが挙げられる。TLRは病原体成分を認識し、迅速な炎症反応とともに、樹状細胞の活性化を通して獲得免疫応答も誘導するが、個体レベルでTLRの応答性がどのように制御されているのかまだ十分に明らかではない。細胞レベル、個体レベルにおいて、TLRファミリーがいかに統御されているのかについて解析を進める。下記のような進展があった。【1】自己免疫疾患におけるTLRと内因性リガンドとの相互作用:MRL/1prとRP105KOマウスをかけ合わせた結果から、B細胞に発現するRP105/MD-1が自己免疫疾患に関与していることが、明らかとなった。【2】複数のTLRの応答性に影響する新規分子群:PRAT4AKOマウスを用いて、ヒトで報告されている遺伝子多型、145番目のメチオニンのリジンへの置換が、TLR2、TLR4、TLR9の応答に大きく影響することが分かった。
すべて 2008
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International Immunology 20
ページ: 881-891
ページ: 1407-1415