免疫機構は病原体などの異物を認識し、排除するために防御応答を誘導するシステムである。宿主応答を誘導するか否かの決定、誘導する宿主応答の質、強さはいろいろな要素によって決定されるが、大きく関与する分子群として、Toll-like receptor (TLR)を中心とする病原体センサーが挙げられる。TLRは病原体成分を認識し、迅速な炎症反応とともに、樹状細胞の活性化を通して獲得免疫応答も誘導するが、個体レベルでTLRの応答性がどのように制御されているのかまだ十分に明らかではない。細胞レベル、個体レベルにおいて、TLRファミリーがいかに統御されているのかについて解析を進める。下記のような進展があった。我々は、Unc93BがTLR3/7/9の応答に必要であるだけでなく、TLR7/9のバランスを相反的に制御していることを見出した。現在、そのメカニズムをさらに詳細に検討するために、Unc93B1に会合する分子の検索を進めている。
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