研究課題/領域番号 |
20390141
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
高津 聖志 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (10107055)
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研究分担者 |
長井 良憲 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30431761)
生谷 尚士 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40513718)
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キーワード | 免疫学 / リンパ球 / 自然免疫 / IL-5 / TLR / IFN-γ / Iigp1 |
研究概要 |
本研究では、IL-5を代表としたサイトカインによる獲得免疫系とToll-like receptor(TLR)を代表とする自然免疫系によるBリンパ球成熟・活性化機構、シグナル伝達を解明し、それらの異常と免疫難病との関連について明らかにすることを目的とした。さらにヒト型結核菌抗原ペプチド(P25)によるTh1細胞の選択的な分化誘導、免疫応答増強(アジュバント)活性の発現機構を分子レベルで解析した。 1.IL-5によるBリンパ球活性化制御に関して:平成20年度の研究により、作製に成功したIL-5/GFPノックインマウスを用いて、末梢組織におけるIL-5産生細胞の局在を解析した。解析した組織の中で、特に肺臓内で多くのIL-5産生細胞を検出した。肺臓内のIL-5産生細胞は、c-kit陽性、Sca-1陽性の細胞群であった。腸管においても、c-kit陽性、Sca-1陽性の細胞群にIL-5/GFP陽性細胞の存在を認めた。 2.自然免疫系におけるBリンパ球の活性化制御に関して:LPS刺激によるMarginal zone Bリンパ球(MZB)の形質細胞への分化、IgM産生におけるTLR4とRP105の機能について検討した。野生マウスBリンパ球において、抗TLR4抗体と抗RP105抗体との共刺激で、MZBがフルに活性化され形質細胞と分化し、高いIgM産生が誘導された。さらにRP105欠損Bリンパ球では、LPS刺激による形質細胞分化やIgM産生がほとんど誘導されなかった。以上より、LPS刺激によるMZBの形質細胞分化、IgM産生にはRP105シグナルが重要であることが示された。 3.結核菌抗原によるTリンパ球分化制御に関して:P25 CD4+T細胞とP25で共培養した抗原提示細胞(APC)において、発現が増強する遺伝子をマイクロアレイ法を用いて探索した。対照群と比較して、インターフェロン誘導遺伝子p47 GTPase遺伝子ファミリーのIigp1の発現が増強していること、そのsiRNAを導入されたAPCにおいて抗原提示能が低下することを初めて明らかにした。
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