研究課題/領域番号 |
20390150
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (00324781)
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研究分担者 |
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50252672)
田崎 修 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346221)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60379203)
高橋 りょう子 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (20467559)
松村 泰志 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (90252642)
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キーワード | 院内救急体制 / Rapid Response Team / 医療安全対策 / 臨床評価指標 / 定量評価 / 病院情報システム / テンプレート / 入院患者死亡率 |
研究概要 |
医療安全・質向上対策の定量的評価を行うことを目的として、目米の医療機関における院内救急チームによる心肺蘇生体制の相違点、本院における救急事例の分析、効果測定方法に関する調査を行った。欧米の院内救急体制には、Code Blue(院内全館放送で医療従事者が心肺停止患者の蘇生にかけつける体制)やRapid Response System(RRS,迅速対応チームの専従看護師や呼吸療法士が急変患者のもとにかけつける体制)が見られた。我が国ではCode Blueは普及しているがRRSは医療制度の違いもあり未整備である。一方、本院のCPRコールの特徴は、集中治療や救急医療の医師が心肺停止及び急変にかけっけ、必要に応じてその後の集中治療も行い、対象事例に関する情報収集・登録を行うというユニークな体制である。 2005年1月から2007年12月の36か月間におけるCPRコール件数は114件であり、コール理由の約40%が呼吸不全、約30%が心肺停止であった。本システムの評価指標として、自己心拍再開率、生存退院率、急変認識からコールまでの時間、コールからチーム到着までの所要時間、現場での蘇生処置の適切性等を用いた。心肺停止患者の約60%が自己心拍再開し、全コールのうち約70%が生存退院した。米国ではRRT導入前後の評価指標として入院患者死亡率が用いられているが、これは当該病院における入院患者の疾病構造や重症度等により大きく影響を受けることから、介入効果の判定指標として適切でないと考えられた。また、これらの評価指標の算出プロセスでは、関係者による正確な情報収集とデータベース作成に労力を要しており、医療安全対策の評価には、病院情報システムのテンプレートを用いた正確かつ効率的なデータ収集・指標測定・モニターのシステムが必要であることが明らかになった。
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