研究課題/領域番号 |
20390150
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (00324781)
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研究分担者 |
藤野 裕土 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50252672)
田崎 修 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346221)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (60379203)
松村 泰志 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (90252642)
高橋 りょう子 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (20467559)
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キーワード | クオリティインディケータ / 有害事象発生率 / ガイドライン遵守率 / 適正使用 / 測定意義 / データソース / 抽出ブロセス |
研究概要 |
米国IHIの5ミリオンキャンペーンで測定されている12領域65個の指標について、阪大病院等での測定意義、測定状況、測定用データソース、算出プロセス等について検討を行った。米国と日本で治療方針(MRSA患者の隔離)やガイドライン(心不全患者への肺炎球菌ワクチン接種、術後24時間以内の予防的抗菌剤投与中止)が異なるもの、測定に観察者による実施状況確認が必要なもの(清掃手順遵守率、CVC関連スタンダード遵守率)、専門医による診断・治療が行われている場合には実施率がほぼ100%になるもの(慢性心不全や急性心筋梗塞の治療)、診療制度の異なるもの(心エコー利用状況、迅速なPCIの実施、院内救急システム)や、米国よりも長い入院期間に影響されるもの(手術創部感染書率)、臨床的に問題のある病態とは限らないもの(人工呼吸器関連肺炎)、病態や治療の複雑な集中治療部門より一般病棟での測定が必要なもの(CVC関連スタンダードのうち挿入部位)など、日米における指標の重要性や意義等の違いが明らかになった。本院で測定すべき指標として、日常診療において問題と感じており実態把握や教育的介入の必要な領域に関して、現状・医療従事者の行動変容・アウトカムの変化等を測定することが必要であると考えられた。 Quality Indicatorsは、「有害事象発生率(予防可能で、頻度の高いまたは稀であるが重篤な結果に至る事例)」「ガイドライン遵守率」「患者フロー(安全や質に影響を与える手術予定時間延長時間、入院待ち期間)」「適正使用率」等に大きく分類されると考えられた。新規測定の指標として、有害事象発生率では鎮静剤関連の呼吸抑制イベント率とCVC合併症率、ガイドライン遵守率ではワーファリン服用者でのINR延長率等を選定し、測定のためのデータソースとデータ抽出プロセスを特定した。
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