研究概要 |
中心静脈カテーテルに関するインフォームドアセント用ツール“KIZUNA"のプロトタイプを完成させた,“KIZUNA"は,CVカテーテルを挿入する患児への説明用ツールであり,インタラクティブな操作が可能である.コンテンツは,CVカテーテルを挿入済みの患児に対して挿入前後の疑問点等を集約し,実装した. CVカテーテル本体の説明と身体に挿入した時の状態説明・消毒のシーン等において,イラストからリアルまでの5段階で表示できるように設計した. デザイン要素の組み合わせによる5段階表示によって,患児の恐怖感・不安感を考慮した説明が可能かどうか,静岡県立こども病院において倫理委員会を経て実験に入った段階である. これと平行して,非接触アイマークカメラを2台使った説明者と被説明者の視線移動をシンクロさせ定量的評価を行うためのプレ実験を行った(継続中).これは,看護師が患児に対してツールの画面を見ながら言葉による説明をしているとき,看護師と患児の視点移動からその理解を定量的にとらえるためのプレ実験である.内容は,絵画鑑賞とし,“一人で自由に鑑賞したとき",“説明者が鑑賞法を指南しながら鑑賞したとき",“ある一定期間を空けて再び一人で同じ絵画を鑑賞したとき"の視線移動の比較から,対話型鑑賞法の有効性を定量的に評価できることを示すためである. これとは別に,外来用予防接種と血液の働きの2点について,アナログツールを用いながらデジタルツールとしての機能も融合させてプレパレーションが実施できるツールの開発を行った.また,保健行動のリテラシーツールとして,コンテンツをダウンロードして子どもとその保護者が共同で製作できるアナログツールの開発も行った.
|