研究分担者 |
柿山 浩一郎 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (30410517)
内藤 茂幸 北里大学, 大学病院, 看護師 (20406961)
呉 起東 東京家政学院大学, 人文学部, 助教 (80325901)
丸 光恵 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (50241980)
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研究概要 |
CVカテーテル用プレパレーション・ツール"Kizuna"のプロトタイプを用いて,北里大学病院小児病棟での使用実験,および静岡県立こども病院での継続的な使用により,その有効性を明らかにした.また,各病院のフィードバックによって得られた知見をデザインに生かしてバージョンアップした. バージョンアップしたツールは,第3回キッズデザイン賞(主催:NPO法人キッズデザイン協議会,後援:経済産業省)のリサーチ部門において受賞した. 次に,画面上で伝えるべき情報となる「要点箇所の視認性を促進するためのデザイン要素」と「人が痛みを感じるレベルを変化させるためのデザイン要素」を明らかにし,その要素を画面説明箇所に組み込んだツールとして更にバージョンアップした. 「説明者(=看護師)」と「聞き手(=患児)」によるプレパレーション時において,理解へと導くためには,先ず説明したい要点箇所の視認性を高める必要がある.そこで,入院患児を対象とした実験の代替として,理解度の高い側から低い側へ説明し理解を図る状況を「説明者(=画家)」と「聞き手(=素人)」による対話型鑑賞法によって実験を行った. この実験結果から,写真を元に単色でベタ塗りにした画像を作成し,その加工画像を元の写真のレイヤー上に重ねて透明度のみを変化させる画像表示機能が有効であることを明らかにし,患児が感じる痛みと情報の真実味のバランスコントロールする機能を10段階に増やして実装した. 本ツールは,看護医療関係者に限定し,チャイルドライフ・デザインのHPから無料ダウンロード提供を開始し,フィードバックを得ている段階である. これとは別に,プレパレーションを実施する看護師に患児が信頼をおいていなければ,いかに有効なツールを開発しても効果的な運用はできないため,看護師と患児の関係を密にするためのツール"Kimito"を開発した.現在,北里大学病院にて稼働中である.
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