研究分担者 |
柿山 浩一郎 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (30410517)
内藤 茂幸 北里大学, 看護部, 助手 (20406961)
呉 起東 東京家政学院大学, 現代生活学部, 准教授 (80325901)
丸 光恵 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (50241980)
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研究概要 |
前年度までに恐怖感・不安感を軽減するためのデザイン要素として色味の変化手法を明確にして,且つ,非接触型アイマークカメラを用いて画面全体のデザイン構成要素を明確にしている.また,それらの要素を組み込んでCVカテーテル用プレパレーション・ツール"Kizuna"として医療関係者に無料ダウンロード提供を行っている. そこで,更にツールの精度を高めるために,本年度は,デザイン要素を「写真-イラスト」「カラー-色無し」「アウトラインなし-アウトラインあり」の3つに分解して,それぞれの刺激が恐怖感・不安感に与える影響を実験から明らかにすることを目的とした. その実験のために,グラフィックエレメント・ブレンド・シミュレーターを新たに開発した.この実験ツールは,3つのスライダーバと視角刺激提示領域からなり,スライダーバを動かすことでリアルタイムに画像が加工されるものである.被験者34名を対象に,プレパレーション用の3枚の画像を提示して「高リアリティ(治療方法等が的確に伝達できる)かつ低恐怖感(痛み等の恐怖感を想起させない)に見える画像に3つのスライダを調整してください.」とのタスクを課した.その結果を受けて,"Kizuna"をバージョンアップした. また,同時に,医療機関からのフィードバックより,プレパレーションの有効性を直感的に表現でき,しかも瞬時に数値化できる感性評価ツールが必須であると考えるに至り,概念モデル可視化ツール"rami"を開発した. 本ツールは,人の曖昧な感性を曖昧なまま表現し,5段階評価法などでは決して表現できない曖昧な差を可視化することができる. "Kizuna"を用いて看護師がプレパレーションを実施したとき,子どもに効果がどの程度あったのか,また,子ども自身が,処置の前後から判断して,プレパレーションの効果を評価することができるツールである. 本ツールは,2011年グッドデザイン賞を受賞した.
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