研究課題
本研究は、現在日本で進行中の代表的な大規模コホート研究の1つであり、開始時40-79歳と高齢者を多く含むJACC Study (the Japan Collaborative Cohort Study)を用いて、後期高齢期・超高齢期に達することに関連する生活習慣を検討することを目的としている。今年度はまず、生活習慣を複合したライフスタイルスコア(喫煙しない、多量飲酒しない、1日1時間以上の散歩をする、7時間の睡眠をとる、緑黄色野菜をほぼ毎日摂取する、適切な体重である)を作成し、死亡との関連を検討した。その結果、中年者のみならず高齢者でもこれらの生活習慣が望ましいものほど死亡リスクが低いことを明らかにした。さらに、60-79歳のものにおいても6つの生活習慣を1つでも改善することで男性の26.7%、女性の20.2%の死亡が予防できる可能性が示唆された。このことは、健康診断後の生活指導の場で役立つ情報であると考えられる。また、本年度より肥満・メタボリックシンドロームを中心に据えた特定健診・特定指導が行われているが、高齢者は対象から外れている。そこで、高齢者における肥満と総死亡との関連を検討したところ、中年者と異なり、高齢者では痩せが死亡と強く関連し、肥満は強いリスクとはならないことが示された。この結果は、今後の施策を検討するうえで基礎的な資料となることが期待される。来年度以降も引き続き高齢者に焦点をあて、生活習慣と長寿あるいは死亡との関連を検討する。なお、今年度2006年までの死亡情報が確定されたため、来年度前半にはデータを整備し追跡期間を延長したデータを解析に用いることが可能となる。その際、関係諸施設と事務局との情報のやり取りには個人識別情報は外してIDを用いて行う。
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Preventive Medicine (acceptされネット上で公開されているが冊子体発行は未のためない)
ページ: doi : 10.1016/j. ypmed. 2009.02.017
http://www.aichi-med-u.ac.jp/jacc/index.html