研究課題
本研究は、現在日本で進行中の代表的な大規模コホート研究の1つであり、開始時40-79歳と高齢者を多く含むJACC Study(the Japan Collaborative Cohort Study)を用いて、後期高齢期・超高齢期に達することに関連する生活習慣を検討することを目的としている。今年度は、ベースライン時65歳以上の者について、BMIと死亡リスクとの関連を検討した。その結果、高齢者では若中年者と異なり・女性のBMI30を超す肥満以外は肥満はリスクとならないこと・BMI20.0から29.9の広い範囲で死亡リスクが低いこと・痩せでは死亡リスクが高く、BMI20.0-22.9のものに比べ、BMI16.0未満は総死亡リスクは男1.78(1.45-2.20)、女2.55(2.13-3.05)と上昇し、BMI18.5-19.9であってもわずかではあるが有意にリスクが上昇したこと・痩せでは特に肺炎、老衰のリスクが高いことを明らかにした。メタボリックシンドロームを中心とした肥満対策が求められる中、高齢者におけるこの結果は、今後の施策を検討するうえで基礎的な資料となることが期待される。来年度以降も引き続き高齢者に焦点をあて、生活習慣と長寿あるいは死亡との関連を検討する。なお、JACC Studyでは死亡・転出情報を今後も継続把握する予定である。死亡小票の閲覧に当たっては厚生労働省の許可を得、関係諸施設と事務局との情報のやり取りには個人識別情報は外してIDを用いて行う。
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Obesity (accept)
ページ: doi:oby2009190[pii]10.1038/oby.2009.190
http://www.aichi-med-u.ac.jp/jacc/index.html