研究課題
1. パーキンソン病モデルマウスでのドパミン神経障害へのNCX関与の検証ドパミン神経毒モデルでの既存の治療薬の効果はMPTPの投与条件に依存していた。従って、本研究ではこの課題については検討せず、MPTP投与モデルでのNCX関与について、タンパク質、活性レベルで検討した。まず、ウエスタンブロット解析で、NCX発現が変化していないことを明らかにした。一方、細胞内Ca^<2+>増加を反映するERKリン酸化はMPTP処置により活性化し、この活性化はNCX阻害薬SEA0400で抑制された。本成績は、MPTP誘発ドパミン障害にNCXが関わっていることを支持する。また、MPTPモデルでのドパミン神経障害の評価に関して、in vivo脳透析法を用いた機能面からの新しい解析法の有用性を、ラットのジスキネジアモデルで検証した。2. NO誘発ドパミン神経由来SH-SY5Y細胞へのNCX関与の分子メカニズム解析昨年度までに、NOがヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y、アストロサイトにおいて、細胞内Ca^<2+>濃度を増加させること、また本作用にNCXが特異的に関与することを見出している。本研究では、細胞外からのNCX依存性のCa^<2+>流入機構における、細胞内Na^+濃度の関与について薬理学的に検討し、Na^+チャネル、Na^+,K^+-ATPase、Na^+/H^+交感系などの関与がないとの結果を得た。3. 研究成果の総括とまとめ本研究で、NO関連病態であるパーキンソン病のモデル動物のドパミン神経障害、NO誘発神経細胞障害にNCXが関与していることを明らかにし、NCXの中枢神経創薬標的分子としての意義の神経科学的基盤を示すことが出来た。
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