自己免疫疾患の病因規定因子である末梢性自己寛容の誘導因子と標的臓器の発生制御因子に着目し、発症予知に有用な遺伝子多計を見出ずことを試みた。 1. 制御性T細胞の解析 制御性T細胞の抑制能とGlucocorticoid-induced TNF recentor family re;ated protein(GITR)の発現が関連することから、自己免疫性甲状腺疾患の病態とGITRの一塩某多型(SNP)1(rs3753348)との関連を調べたどころ、制御性T細胞のGITR発現が弱いGGゲノタイブの頻度が寛解バゼドウ病よりも難沿性バセドウ病で高く、Gアリルの頻度が軽症橋本病よりも重症橋本病で高かった。他のGITRのSNP2(rs2298213)では制御性T細胞のGITR発現とSNPの型との間に賜車はなかったが、『GGゲノタイブが寛解バセドウ病よりも難治性バセドウ病で高かった。従って、制御性T細胞機能をコレドロールするGITRのSNPが自己免疫疾患の発症・増悪の予知に使用できる可能性が示唆きれた。 2. 発生制御因子の解析 標的臓器である甲状腺の発生制御因子のひとつであるFoxe1遺伝子の-283G/A SNP(rs1867277)と自己免疫性甲状腺疾患の病態との関連を調べたところ、高産生型のAアリルの頻度が、軽症橋本病よりも重症橋本病で低下していた。F6xelはサイログロブリン(Tg)や甲状線ヘ・ルオキシダーゼ(TPO)のフ・ロモーターに結合する特異的各蛋白で、クロマチンの構造を変化させ、他の転写因子の結合を促進ずることより、TPOの発現を促す可能性が考えられる。従って、甲状腺の発生制御因子が自己免疫疾患の発症・増悪に関係があり、その制御因子のひとつであるFoxelのSNPが自己免疫疾患の発症・増悪の予知に使用できる可能性が示唆された。
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