研究課題
ごく最近のアレルギーの予防には、従来の衛生仮説に取って代わり、RSVの感染に対する予防および早期発見の重要性が唱えられてはいるが有効な方法は見出されてはいない。本研究では、RSV感染における好酸球を中心とした分子機構を明らかにするとともに、分子機構の解明から導かれる新しい免疫療法として、RSウイルス由来のS糖タンパク遺伝子を用いたアレルギー症予防DNAワクチンを開発することを目的とした。本年度の研究では、昨年度までに設計されたワクチンのアレルギー発症モデルマウスによる動物実験を実施し、ワクチンの効果を検証した。動物実験では、RSV感染アレルギーマウスを用いてワクチンによる予防効果を検討するために、高IgE産生系マウスとして知られているBALB/cマウス6匹を1群として、4群、計24匹を用意した。すべてのマウスにおいて下記の方法で感作した。RSV前投与と後投与の有無およびワクチンの前投与の有無の4群とし、RSVの投与が無い群では、不活化RSVを投与した。その感作方法については、おのおのマウスにおいて、抗原として卵白アルブミン(OVA)及びアジュバント(水酸化アルミニウム)により能動的に9日間、感作し,その後,惹起として、抗原(1%生理食塩水溶液)を10日および24日目に、一日、3回吸入させた。動物のアレルギー発症の指標として、採血によって血清中抗原特異的IgE及びIgG1値およびG糖タンパクの抗体を測定し、また最終抗原吸入24時間後、気道抵抗性を測定後、気管支肺胞洗浄液(BALF)中および肺組織中、脾臓中の好酸球、Th2であるIL-4,IL-5及びIL-13量を評価した。その結果、本ワクチンによって、アレルギーに対する感作は有意に減少し、また気道抵抗性のBALFの細胞から喘息が有意に抑制されることが認められた。以上より、本ワクチンはアレルギーの予防に有効であることが示された。
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