研究概要 |
本研究においては、新規環境汚染物質、コプラナー型塩素・臭素化ビフェニル(Co-PXBs)を含めた、塩素・臭素化及び臭素化ダイオキシン類の汚染実態、並びにそれら発生源の究明を行うことを主目的とする。平成20年度においては、上記3種のダイオキシン類として、塩素化ダイオキシン類、臭素化ダイオキシン類及び塩素・臭素化ダイオキシン類と、4種の臭素系難燃剤PBDEs, TBPs, TBBPA, HBCD)の同時一斉抽出・精製法の確立、並びに上記の7化合物の高精度迅速型超微量分析システムの構築を試みた。とりわけ、ダイオキシン類自動クリーンアップ装置を導入することにより、ダイオキシン類はもちろん、上記臭素化難燃剤も含めた、極めて省力かつ迅速型の自動クリーアップシステムを構築することができ、具体的には、上記化学物質の精製を僅か1日足らずで達成することが可能となった。そこで、全国の焼却場排ガス並びに大気試料を用いて、上記化学物質について検討を加えた。その結果、世界で初めて排ガス及び大気試料中に、新規ダイオキシン類であるCo-PXBsを検出することができた。Co-PXBsの濃度は、全国約20カ所の中で、大阪(岸和田)と広島の排ガス試料中に高濃度のCo-PXBsが観察されると共に、この2試料中のCo-PCBsとCo-PXBsの濃度を比較したところ、ほぼ同等であることが認められた。今後は、当初の研究計画通り、底質や水質中の上記環境汚染物質の調査を遂行し、我が国の上記環境汚染物質の汚染源及びそれら汚染実態の究明を遂行していく予定である。
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