研究課題/領域番号 |
20390176
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
太田 壮一 摂南大学, 薬学部, 教授 (10213729)
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研究分担者 |
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 講師 (20288971)
角谷 秀樹 摂南大学, 薬学部, 助教 (00581414)
秋山 恵麻 摂南大学, 薬学部, 助教 (50581401)
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キーワード | 塩素・臭素化ダイオキシン類 / Co-PXBs / コプラナー塩素・臭素化ビフェニル / 汚染実態 / 発生源 / 光分解 / 熱分解 / 臭素系難燃剤 |
研究概要 |
臭素系難燃剤(BFRs)であるポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)は、難燃化を目的として種々の電子・電気製品、建材および繊維製品に使用されている。研究代表者らは、この難燃剤が、その製造過程やBFRsを含む製品の廃棄焼却時に、Co-PXBsが生成するものと推定した。そこで、その発生源の可能性を検討することを目的として、ラボスケール実験にて10臭素化ジフェニルエーテル(DeBDE)を熱及び光分解したときの反応液中に生成するCo-PXBs等の定量を試みた。実験方法の概略は、DeBDEを試験溶液(100ppm)とし、光分解は、試験溶液10μgを石英NMR管に添加後、トルエン:エタノール:水(1:3:6)100μLを加え溶解し、UV(120lx)を60min照射した。熱分解は、褐色のアンプル管に試験溶液100μLと酸素供給源として水を5μL添加し、封入後、400℃で90分加熱した。その結果、Co-PCBsやPCDFsが高濃度に生成することが観察されると共に、コンピュータ基盤等に繁用されている銅の触媒作用と塩素源の供給を考慮して、水の代わりにCuCl_2水溶液(0.1%)を添加したところ、Co-PXBsを含むダイオキシン類の生成率が飛躍的に増加していることが観察された。また同様な現象は、その他の塩素源としてのHClやFeCl_2の添加においても観察された。また、今年度は、発生源調査に関するフィールド調査も行った。すなわち、日本各地の焼却施設排ガス及び大気試料を用いて、塩素化ダイオキシン類(PCDDs/DFs, Co-PCBs)及びCo-PXBsの汚染実態調査を行った。その結果、全ての試料中に、Co-PXBsを検出したことより、臭素系難燃剤を含む廃棄物等の焼却処理、さらには、環境中における光分解反応等により、Co-PXBsが生成しているものと推定した。
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