メタボリック症候群は、複数の遺伝子、環境因子や生活習慣等から影響を受けつつ発症すると考えられる。本研究では、日本の大規模な一般人の集団に対し、遺伝子多型が、メタボリック症候群等の発症に影響を与えているのか、生活習慣等を考慮しつつ、評価することを目的としている。本年度は、アディポネクチン受容体遺伝子(650+20G>A)の測定が終了した。結果として、男性では、GG型9人(0.6%)、GA型180人(12.4%)、AA型1264人(87.0%)、女性では、GG型4人(0.3%)、GA型138人(11.6%)、AA型1050人(88.1%)、であった。また、96検体の、部分的シーケンスにおいて、870C>Aは、男女ともすべてCC型で、963C>Tは男性でCC型63人(91.3%)、CT型6人(8.7%)、女性では、CC型24人(88.9%)、CT型3人(11.1%)、+999C>Tは男性でCC型66人(95.7%)、CT型3人(4.3%)、女性ではC型27人(100.0%)、1249C>Aは、男性でCC型68人(98.6%)、CT型1人(1.4%)、女性はCC型27人(100.0%)、1032+310G>Aは、男性でGG型63人(91.3%)、GA型6人(8.7%)、女性ではGG型24人(88.9%)、GA型3人(11.1%)、1032+411C>Aは男性でCC型14人(20.3%)、CA型40人(58.0%)、AA型15人(21.7%)、女性ではCC型4人(14.8%)、CA型16人(59.3%)、AA型7人(25.9%)、であった。今後もシーケンスを継続する予定である。また、これまで測定した遺伝子と、疾患発症についての縦断的な検討では、女性で高脂血症とアディポネクチン遺伝子、肥満とレジスチン遺伝子の関連が認められた。今後遺伝子の組合せなどについてさらに検討を加える予定である。
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