研究課題
基盤研究(B)
本研究では、運動器障害による要介護予防を最終目的として、和歌山県山村部、漁村部、東京都板橋区の地域住民コホートを統合し、運動器障害のなかでも、特に頻度が高いと思われる変形性関節症(Osteoarthritis : OA)と骨粗鬆症(Osteoporosis : OP)の疫学指標を確立し、前向き調査を開始し、この取り組みをROAD(Research on Osteoarthritis/osteoporosis Against Disability)と名付けた。ROADベースライン調査結果から、40歳以上を対象としてOAおよびOPの有病率を推定した。OAはX線写真でKellgren-Lawernce(KL) 2度以上と診断されたものとし、OPはDual Energy X-ray absorptiometryで、腰椎L2-4および大腿骨頸部の骨密度を測定し、日本骨代謝学会の基準を用いて診断した。その結果、膝OA(KOA)の有病率は全体でみると、男性42. 6%、女性62. 4%であり、X線で診断されるKOAの有病者数は2530万人(男性860万人、女性1670万人)となった。変形性腰椎症(LS)の有病率は男性81. 5%、女性65. 5%であり、有病者は3790万人(男性1890万人、女性1900万人)、OPの有病率は、腰椎L2-4で男性3. 4%、女性19. 2%、大腿骨頸部で男性12. 4%、女性26. 5%で、腰椎OPの有病者数は約640万人(男性80万人、女性560万人)、大腿骨頸部OPの有病者数は約1, 070万人(男性260万人、女性810万人)と推定された。これらのいずれかをもつと診断されるものの割合は男性で84. 1%、女性で79. 3%となり、推定される有病者数(40歳以上)は総数4700万人(男性2100万人、女性2600万人)と莫大な数となることがわかった。ベースライン調査に引き続き、ROADでは、2008年から2010年にかけて3年目の追跡調査を開始し、2, 674人の参加を得て完了した。この解析からKOAおよびLSの累積発生率を推定したところ、平均3. 3年の追跡で、X線上新たにKL2度以上となったKOAの累積発生率は、男性2. 1%. yr、女性3. 6%/yr、LSは男性15. 3%/yr、女性10. 5%/yrとなった。
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http://www.h.u-tokyo.ac.jp/center22/index.html