研究概要 |
今年度の実施内容は、試験参加者の最終検査を完了し、データ整理、検査結果の返却・説明、および最終結果のまとめであった。2010年11月に最終医学検査を行なった。最終医学検査では、425人(94.4%)が参加した。残薬を回収し、錠剤服用のコンプライアンスの平均は83.7%で、錠剤の服用が80%を超えた者は332人であった。アウトカムとしての最終検査項目は体重、腰椎および大腿骨頸部骨密度、血中副甲状腺ホルモン濃度、オステオカルシン濃度(骨形成の指標)、Type I collagen cross-linked N-telopeptides濃度(骨吸収の指標)であった。最終検査におけるそれぞれの変数の平均値は、53.0kg (SD=7.6)、0.874g/cm^2(SD=0.143)、0.660g/cm^2 (SD=0.092)、36.1pg/ml (SD=12.5)、7.2ng/ml (SD=2.0)、19.0nMBCE/1 (SD=6.5)であり、ベースライン検査からの変化は、それぞれ、-0.8%(P<0.0001),-4.6%(P<0.0001),-3.6%(P<0.0001),-13.6%(P<0.0001),-8.6%(P<0.0001),+13.9%(P<0.0001)であった。治療企図分析により、カルシウム500mg/日付加群の2年後腰椎骨密度の低下がプラセボ群より有意に小さく、実行説明分析によりカルシウム250mg/日および500mg/日付加群の腰椎骨密度の低下がプラセボ群より有意に小さかった。カルシウム付加の大腿骨近位部への影響は見られなかった。
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