• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

難治性神経代謝疾患に対するトランスレーショナルリサーチ

研究課題

研究課題/領域番号 20390199
研究機関鹿児島大学

研究代表者

乾 明夫  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (80168418)

キーワード遺伝子 / 医療・福祉 / 神経科学 / トランスレーショナルリサーチ / 臨床
研究概要

本研究は、難治性神経代謝疾患の遺伝的基盤を解明し、その遺伝子改変マウスを作製して、一生涯という時間軸に立った治療・予防法を開発する。さらに、病態関連遺伝子を同定することにより、病態解析や創薬のターゲットとなる機能分子を解明し、ヒトの神経代謝に関わる基盤的調節機能を明らかにすることを目的とした。
今年度は癌性悪液質を念頭に、グレリン及びグレリン放出促進薬としての漢方薬、六君子湯の検討を行った。グレリンアゴニストのGHRP2は、Yoshida肝癌細胞と腹腔内に播腫した癌性悪液質モデルにおいて、食欲を有意に促進し、抗癌剤5FUによる治療効果を増強し、寿命の延長傾向が認められた。また、慢性腎不全モデルにおいて、グレリン及びグレリンアゴニスト投与により、摂食のみならず筋肉量(Lean Body Mass)を増加させることを明らかにした。さらに、六君子湯は担癌動物で亢進しているセロトニン系、特にその2c受容体を阻害し、グレリン分泌を促進することで、癌性悪液質モデルの食欲、体重、筋肉量を増加することを証明した。六君子湯のこの作用は、8つの構成生薬のうちチンピ及びソウジュツが重要な役割を担っていることを明らかにした。三次元HPLC解析を用いた生薬構成成分解析により、チンピにはフラボノイド(ヘスペリジン)が、この作用の少なくとも一部を担うことを明らかにした。神経性食欲不振症では、その患者血中にグレリンの自己抗体が存在することを明らかにし、現在解析をすすめている。我々はすでに神経性食欲不振症患者血中に強力な食欲抑制系メラノコルチン自己抗体が存在し、その自己抗体が神経性食欲不振症の病態の一翼を担う可能性を報告してきた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Induction of PDK4 in the heart muscle of JVS mice, an animal model of systemic carnitine deficiency, does not appear to reduce glucose utilization by the heart.2010

    • 著者名/発表者名
      Ushikai M, Horiuchi M, Kobayashi K, Matuda S, Inui A, Takeuchi T, Saheki T.
    • 雑誌名

      Mol Genet Metab.

      巻: 102(3) ページ: 349-355

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Appetite and gastrointestinal motility : Role of ghrelin-family peptides.2010

    • 著者名/発表者名
      Perboni S, Inui A.
    • 雑誌名

      Clin Nutr.

      巻: 29(2) ページ: 227-234

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Parathyroid hormone-related protein has an anorexigenic activity via activation of hypothalamic urocortins 2 and 3.2010

    • 著者名/発表者名
      Asakawa A, Fujimiya M, Niijima A, Fujino K, Kodama N, Sato Y, Kato I, Nanba H, Laviano A, Meguid MM, Inui A.
    • 雑誌名

      Psychoneuroendocrinology

      巻: 35(8) ページ: 1178-1186

    • 査読あり
  • [学会発表] ペプチドはどこまでわれわれの行動を規定しているか2010

    • 著者名/発表者名
      乾明夫
    • 学会等名
      第51回日本心身医学総会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2010-06-26
  • [産業財産権] 悪液質改善剤2010

    • 発明者名
      乾明夫, 浅川明弘, 藤塚直樹
    • 権利者名
      鹿児島大学
    • 産業財産権番号
      特願2010-274339
    • 出願年月日
      2010-12-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi