研究課題
先行研究で摂食障害研究における初のゲノムワイド関連解析を実施した。摂食障害遺伝子研究協力者会議への参加機関から収集されたAN症例群を解析対象とした。全ゲノムをカバーする23,465個のマイクロサテライトマーカーとpooled DNAタイピング法を用いた段階的解析により、10個のAN関連マーカーを同定した。続いてSNP関連解析による感受性領域の狭小化を行い、最終的に二つの1q41領域と11q22領域を新規AN感受性ゲノム領域として同定した。本研究では独立検体で先行研究の結果の再現性を確認するとともに、デンスマッピングを実施し遺伝子の機能解析への道筋をつける。新たに網羅的GWAS実施して新規候補遺伝子を発見するための基盤づくりを行う。本年度は、先行研究でANと関連が検出された10のMSマーカーについて、先行研究とは独立のAN群名、対象群名のサンプルで関連の有無を再度検討した。その結果、1q41領域と11q22領域の二つのMSマーカーについて独立サンプルで有意な関連が確認された。そこでこの2領域のMSマーカーの近傍にSNPマーカーを設定し摂食障害の独立サンプルでのタイピングと関連解析を開始した。患者および対照者の試料の収集とSNPマーカーを用いたGWAS実施の組織と基盤作りにおいては、プロジェクトリーダー(小牧)、事務局(国立精神・神経センター)、試料提供協力機関(遺伝子研究協力者会議メンバー)、試料保管機関、遺伝子解析機関(国立精神・神経センター、成育医療センター、東海大学)からなる研究体制を拡充し本年度中に新規に摂食障害患者130例と対照群113例を収集した。
すべて 2009
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J Hum Genet 54
ページ: 531-537
心身医学 49
ページ: 373-380